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    なにかに文句を言ったり写真を撮ったり、ごくたまに修理(改造・破壊)記事を書くblog。

    2019年7月14日日曜日

    オーディオアンプの修理をしてみる(TA-F333ESX追加修理編)

    TA-F333ESXを弄り壊した記事の続き。

    追加修理一覧

    1. 破損したファイナルトランジスタの交換
    2. RCA端子を磨く
    3. ヘッドホンリレーの交換
    4. リレー/ボリューム/スイッチの接点をできるだけ分解洗浄
    5. コンデンサの交換
    6. 外装のクリーニング
    1)
    電力はこわいなーと思いつつ、メインのコンデンサを放電してから各部部品を取り外しながらチェックした。ファイナルのトランジスタの1ペアがショートしていたが、初段のFETやデュアルトランジスタは大丈夫のようだ。
    ファイナルのトランジスタの型番を調べるとまだ販売していたため2SA1186と2SC2837と1ペア購入した。飛ばしたものとほぼ同じ定格のヒューズも購入した。販売していたからまだ良かったようなものの、貴重なトランジスタを使った機種なら終わっていた所だ。


    トランジスタをつける前に、ファイナルを全て取り外したまま動作させてプロテクト解除することを確認した。ファイナルのトランジスタを全てはんだ付けし電源を入れる際は、一度飛ばしているためスイッチを入れるのが恐ろしくなる。
    結果的には問題なくプロテクト解除するのを確認できた。再度DCオフセットとバイアスの調整を行った。単純に運が良かっただけだが、ファイナルトランジスタの交換だけで動作復帰することができた。

    2)
    各部分を点検していて気が付いたのがRCA端子の抵抗。ぱっと見ではあまり汚れもないのにシャーシから数十オームの抵抗がある。盛大なハム音は入力部のアースの浮きだったようだ。端子をしつこく磨いたところ抵抗を減らすことができハム音は解消した。最初に磨いておけば余計な失敗をしなくてよかったのにという感じ。

    3)
    スピーカーからは音が出るようになったものの、ヘッドホン端子からの出力がない。
    リレーに電圧を加えても接点が動作しない。


    リレー隣のダイオードをチェックしてみるとただの抵抗になっていた。基板が焼けているわけだ。リレー単体でも動作しないため両方ともNGだった。ダイオードを交換しリレーはピンアサインが特殊なため汎用品の24Vリレーをリード線で取り付けることにした。

    4)
    オーディオ信号が通過する接点を磨く。リレー/ボリューム/スイッチの接点は大量にあり、ほぼ全てが汚れていた。いっぱいあるため写真は省略。コンパウンドで磨いてアルコールで洗浄した。洗浄後、スイッチについては接点グリスを塗布して再組み立て。


    5)
    数時間テストを行い一応は動作が確認できた。ただし音質はこんな程度?というやたら硬い音。さらに低音のあるソースを入れると音がつぶれる。


    基板上の部品のチェックで分かっていたのだが、Aクラスの電源部にあるMUSEコンデンサーの容量が定格1000μFの7割以下になっていた。85℃品でヒートシンクの真横にあるため劣化が早いようだ。


    交換品には一応オーディオ用でも使われる青いスリーブのPanasonic FCを使うことにした。105℃品の使えそうな品種の中では安かったという理由。このコンデンサを交換したところ良い結果になった。瑞々しい音といった印象になり低音があるソースにも対応し破綻がない。緑のMUSEは容量が抜けていたが、赤いスリーブのDuorexは容量が抜けていないようだ。本来は全体的に交換が望ましいと思う。

    6)
    外装をクリーニングしワックスでピカピカになった。購入時点でステレオ/モノラルの切り替えノブが不足だったので適当なものを取り付けておいた。他がきれいになったのでこれがちょっと気になる。

    まとめ


    修理で交換した部品はこんな感じに。手間がやたらかかった割には交換部品は少ない。
    スイッチひとつ清掃するだけでも手間がかかり、たぶん個人の趣味でなければなかなかできないなーという印象。最低でも数日はかかるため業者が同程度の内容を作業する場合結構な修理工賃がかかるだろう。
    初心者だけあって間抜けな失敗でトランジスタを破損したので余計な出費もあった。
    結果的には修理が完了し良い音が出るようになるのは楽しい経験だった。30年前のアンプはさすがに草臥れているため、仮に音が出る状態で買ってもそのまま評価してはいけないようだ。音質が堅いというレビューを見たことがあるので、修理していい音で聴いてもらいたいものだ。

    おまけ

    通常の電子工作の工具に追加して、はんだ吸い取り機と放熱クリップ、中華な部品チェッカー、放電用の電球つきリードクリップなどがあると修理が簡単になる。はんだ吸い取り器はちょっと高いけど特に楽ちんで早く買えば良かったと思ったくらい。

    2019年7月13日土曜日

    オーディオアンプの修理をしてみる(TA-F333ESXを弄って壊す編)

    今回はオーディオアンプの修理をしてみる。今までアンプはよく分からないので敬遠していた。お手頃デジタルアンプに飽きたので、昔ながらのアンプを弄ってみようという程度の動機。

    ジャンク品を見ていると80年代のソニーのアンプがお手頃に入手できそうで修理して遊ぶには最適そう。ソニーのこの時代のアンプは比較的シンプルな回路らしく初心者向けと言える。他社の凝りに凝った回路のアンプは意味不明な領域になっているものが多いらしく、初心者の自分では手に負えないだろうと思った。

    入手してきたのはTA-F333ESX。欠点はノブがひとつないのと、プロテクト解除せずの症状。TA-F333ESXはヒット商品らしくそこそこ見かける機種だ。
    まず、プロテクト解除しない症状は出力のオフセットを測ってみると本来の0Vに近いはずが12.88V/0.06Vになっていた。これはとりあえず確認のみ。

    この個体は一度修理を試して諦めているようで、電源スイッチのランプが謎な付け方になっていた。ランプが点灯しないので電球をLEDに交換してみたようだ。12Vの電球を使うところに抵抗を入れずLEDを3個直列にしていた。この付け方ではLEDが焦げるだけかも。計測したら3個中2個が破損していたので全て撤去して交換。
    (以下修理中に撮ったしょぼい写真が続きます)


    用意できた12Vのムギ球が小さかったため、カバーに足を通して半田付けという苦肉の策。上の写真では緑色しかないが、赤色のカバーのついた古い電球は奇跡的にシャーシの底から発見された。


    修理一覧

    • ハンダ付けなどがしにくいため分解。
    • 各あやしい部品のチェック。
    • 抵抗値が増大していたヒューズ抵抗を全て交換。
    • 全ての基板でハンダ付けの手なおしを行った。
    • 再組立て。
    オフセットのずれは一部使われているヒューズ抵抗の抵抗値が増大することによって起こるようだ。下の画像ではヒューズ抵抗が茶色く変色している。


    チェックしてみると断線が確認できた。


    怪しい抵抗値のヒューズ抵抗をそれぞれ新品に交換(ヒューズ抵抗はRSオンラインで売っていたものを使用)。小さく見えるがこれでも1/2W型。


    熱を持つトランジスタを中心として半田割れがある。全体的にハンダが薄くハンダは全て修正を行った。


    修理後組み立てて電源を入れてみたところプロテクトリレーは解除された。オフセットとバイアスの調整も問題なく行うことができた。
    しかしプレーヤーをつなぎ、スピーカーを繋いだ際に盛大なハム音が出る。原因が分からないままこねくり回していたため、以下の失敗をした。

    (失敗その1)

    ボリュームからAクラス段の入力のケーブル接続を忘れて電源をオンしてしまい、プロテクトが解除されたときにスピーカーからパンと破裂音がして再度プロテクトがかかった。ボリュームが未接続の状態で動作させてはいけないようだ。

    (失敗その2)

    テスターで基板各部を測っていたらショート事故をしてしまった。どこを当てたのか不明ながら一瞬のうちにショート音と共にメインヒューズが飛んだという致命的な失敗だった。修理できかけたのもつかの間、かなり間抜けな状態に。
    自分で壊してしまうというのは結構凹むもので壊した以上ちゃんと修理したい。

    ということで、オーディオアンプの修理をしてみる(TA-F333ESX追加修理編)に続く。


    2018年12月30日日曜日

    ごみ中華タブレットをなんとかする(K960 vKB011E サブディスプレイ化)

    手元にかなりどうしようもないタブレットがやってきたので何とかしたい。
    無名中華タブレットにおけるひどい部分のフルコースといってもいいタブレットだったので、問題になっているファーウェイなんか屁でもない気がしてきた。型番で検索するとfake tabletとして有名なようだ。


    手元には基本的にごみとしてやってきたのだが、これがまだふつうにアマゾンで売ってるので驚いた。スペック表記は多少違うもののほぼ同じもののようだ。これに9799円の価値は全くない(といいつつアフィリンクを貼る)。



    スペックを見ると当然水増し。手元にあるのは上記アマゾンのスペックよりさらに水増しが激しいバージョンのようで、
    • メモリー4GB → 実際は1GB
    • 記憶容量64GB → 実際は4GB+12GBの16GB
    • 解像度2560x1600 → 実際は1280x800
    • 偽のantutu benchmarkがプリインストールされている
    といった感じ。
    偽のantutuがプリインストールなのは偽のベンチマーク結果で性能を良く見せる(でも即バレる)ということだろう。
    メモリについては確認するアプリのSD insightを使用して見てみるとhynixの16GBと表示される。おそらくシステム領域が4GBとなっていて、残りの実際には12GBしかないドライブが64GBと表示される。これは見た目の容量があっても12GBを超えるとデータが書けなくなるということでそこそこ実害がありそうだ。
    一応SoCはMT6592Tらしいので?これも遅いなりに8コアが動作している様子が見ることができる。もうどれが正しいのかわからなくなってきた。

    さらに、使用していくと、
    • 勝手に謎データがダウンロードされる
    • 勝手に広告が表示される
    という挙動を見せる。中華らしくマルウェア入りだ。これもプリインストールなので簡単に消去できず面倒。中国メーカーもこういうことやらなければいいのにいつまで経っても胡散臭いのは中国の伝統的なものだと思うしかなさそうだ。

    こういう謎なデバイスを使う際は捨てアカウントで使う必要があるし、元々実用には向かないので単に遊べればよかったのだが、10インチの液晶だけは遠目に見ればそこそこきれいなので(一応はIPSのようだ)、ノートPCのサブディスプレイとして使うことにした。

    使うにあたっては、
    • rootを取得(Kingo ROOT)
    • マルウェアを削除(AVL と Root Uninstaller)
    • 仮想ディスプレイアプリをインストール(spacedesk)
    という手順になる。基本的には他のwebページに載っている記事を参考にしただけだが、rootをとるのに使えたアプリはKingo ROOTだった。iRootでは取得できないようだ。

    マルウェアについてはAVLでスキャンしたところ、
    • UpgradeSys - Trojan/Android.adups.b[exp,bkd,rmt,gen]
    • ワイヤレスアップグレード - Trojan/Android.GDownload.e[exp,gen]
    という二種が検出された。検出されたものを、Root Uninstallerで削除した。他も何かあるかもしれないがとりあえずサブディスプレイとして使うだけならこれで問題ないだろう(マルウェアが入っているとディスプレイにしたとしても広告が上に出てきてしまう)。

    仮想ディスプレイアプリのspacedeskはwifi経由でデスクトップの表示拡張ができる。あとは電源のためにUSBケーブルでPCに繋いでおくだけだ。というわけで、spacedeskはごみタブレットを有効活用するのにちょうど良いものだと思った(小並感)。

    中華タブレットはほとんど最初からごみを大量生産しているようなものだ。ようやくZTEやファーウェイなどで問題として言われるようになったが、こういうのは昔からの伝統なのでかなり今更という気がする。

    2018年12月21日金曜日

    フォノイコライザーを買ってみる(謎メーカー製 pp500)

    レコードを聴くために倉庫にあったレコードプレーヤーを引っ張り出してきた。
    フォノイコライザー付きのアンプはあるものの大きいので置いておきたくなく、自作の小型デジタルアンプと組み合わせるために小型のフォノイコライザーが必要になった。

    というわけで買ったのが
    Muslady 超コンパクト フォノプリアンプ レベル&ボリュームコントロール付きRCA入力&出力1/4"TRS出力インターフェース

    という謎の格安フォノイコライザー。


    探していくとBEHRINGER PP400がよく似た製品で出てくる。
    PP500はレベル調整のボリュームがついているわりに値段がさらに安いというもの。
    安いなりに問題点があり、
    • アース接続端子がただのネジで内側のナットが固定されていないため、蓋を開けないとネジが締められない。
    • アース部分が塗装したままなので微妙に導通していない。
    といった感じ。


    プロ用を主張するけっこうな大げさ感のある箱でやってきた。


    しかしシールにはファンタム電源装置と書いてあるテキトーさ。

    とりあえず接続してみて問題なく音は出るようなので、接続端子を増設することにした。内側の塗装をヤスリではがして部品箱にあった端子をネジで取り付けただけ。
    下の写真、左上に転がっているのが元々付いていたネジとナットで、これでどうしろとという感じ。


    以上の変更だけ行えば、とりあえずレコードを聴きたいときには安くて良いものだ。
    左側のボリュームはフォノイコライザーにレベル調整なんか要るかなと思ったものの、あればあったで便利。
    右のTRS端子側のボリュームはヘッドホンなどを繋いだ際に音量を調整するもののようだ。
    VictorのQL-7 + オーディオテクニカのAT10G + このPP500という組み合わせでふつうに聴くことが出来た。

    おそらくBEHRINGERのOEM元か、製造メーカーが勝手に売ってるような雰囲気で、BEHRINGERと他にammoonというメーカーもあるようだ。
    部品の質はどうか分からないが、JRCの4580と汎用コンデンサとチップ抵抗くらいで、部品を変えて遊ぶのも良いかもしれない。