タイトルに反して仕事にならない修理・改造・破壊記事を書くジャンクなblogです。

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    2016年11月15日火曜日

    brother 複合機 MFC-J6710CDWを修理する(インク認識不良編)

    インクジェットプリンタはインクが高いので困る。特に最近はICチップが付いているためか非純正インクでも結構高い。インクは安いのを求めると画質を諦めるしかなく、まともな写真を印刷するなら純正を使うしかない。そのため、写真用と書類用でプリンタを分けて使っている。

    brotherのMFC-J6710CDWは書類用の安価なA3プリンタとして購入した。A3プリンタ兼スキャナ兼FAX複合機であり、なんだか長ったらしい機種名である。

    brotherはこの機種辺りまではまだインク商売が緩かったようでインクタンクにICチップがなく非純正インクが使いやすい。この機種より後だと他社並みにICチップを使ったりしている。正直ICチップはリセッターがあるので今では単にコストアップになっているだけのような気もする。

    この機種の評判を検索すると給紙に失敗する・用紙が詰まるなどの内容が多くあり、この個体も用紙カセットが1段ダメになって使えない。
    この機種の良いところは無線LANでのプリントがまともに使える点で、古い機種なのにWindows10にも対応している辺りソフト周りの対応は良い。

    MFC-J6710CDWの良い点
    ・詰め替えインクが使える
    ・中古が安価
    ・A3が使える
    ・Windows10対応
    ・無線LAN対応
    ・A3対応ADFスキャナとして使える

    MFC-J6710CDWの悪い点
    ・給紙メカがポンコツ
    ・印刷品質は今一つ
    ・勝手にヘッドクリーニングを始める

    今回の故障はインクの認識不良。
    印刷しようとしたらインクを認識していなかった。どうやらマゼンタが付いていないと思っているらしい。「インクが検知できません」というエラーが出てインクを入れなおせという。困ったことにこのプリンタはインクを認識しないと何もできなくなってしまう。ヘルプを見ると、解決しない場合はコールセンターへお問い合わせくださいとある。
    インクにICがないためインク検知が光学式でインクタンクにフロートがある。そのフロートが引っかかって検知できないという症状があるらしく、チェックしてみたがフロートは正常な位置にあった。

    だいたいこういう故障はセンサーの不具合だろうということで、プリンタを分解してみた。
    この複合機は見た目より簡単なつくりで分解が簡単なのは好感が持てる。エプソンみたいに下手に分解すると部品が折れるような部分は無さそうだ。

    上ふたを開け、内部プラスチックカバーを左右外し、上ふたの支持棒を外し配線を外すと背面の黒ねじ2本でスキャナ部分がまるごと取れる。
    操作部は上部ねじ4本外して持ち上げ、配線を外すと取ることができる。
    プリンタ部カバーにあるねじを外していき、カバーを取るとインクタンクが出てくる。設定保持のためバックアップバッテリーは外さない。

    インクのセンサー基板を外してみるとセンサーにインクが染みてインクと埃が絡まっているのが分かった。マゼンタのセンサーはベタベタになっていて、おそらくこれが原因のようだ。


    センサーを拭いて清掃し、インクでベタベタなインクタンクカセットは水洗いした。
    インクタンクの光学センサーは1色ごとに3か所あるようで、3か所を総合的に見てインクの有無を判断しているようだ。


    インクタンク部を再組立てして配線も元に戻す。廃インクタンクは半分くらい色が染まっていた。


    すべて組み立てなおし、問題なくマゼンタのインク認識をするようになった。
    おそらく原因は非純正インクの漏れ。とはいえ、横に挿入するタイプで全く漏れがない機構は無理に思える。外したら漏れないようにタンク側にゴムの弁が付いていれば良いのだろうけど、安価な非純正インクにそんなものは付いていないようだ。メーカーが純正以外のインクを使うなという理由はこういう辺りにあるのだろう。