タイトルに反して仕事にならない修理・改造・破壊記事を書くジャンクなblogです。

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    2006年12月1日金曜日

    Konica Sを使ってみる - 50年前のヘキサノン



    自分は1959年にはもちろん生まれていないわけだが、このカメラは1959年誕生だという。そのわりには思いの外きれいである。もちろん当時の塩ビ色そのままな灰色の合成皮革がベロベロになっていたので皮を張り替えたものだ。革はこのメーカーのライカタイプ1を使用してみた。どうも印象が変わってしまったが、これはこれで良いだろう。
    カメラの動作はノーメンテナンスだった割には結構まともだ。たまに露出計がさぼるのと二重像がなんか縦にずれてるのと低速シャッターが渋いくらい。全然ダメである。とりあえず使えるので内部をいじるのは後回しで革張りとボロボロに崩れてたモルトを交換して実戦投入。レンズ外すためのカニ目とかいう工具も持ってないし革張りとモルトを直しただけで7千円くらい飛んでいったのでコレが限界である。
    とにかく初めてのレンズファインダーなので使い方がよく分からない。二重像を合わせてファインダーから目を離してぐずる露出計をなだめつつ露出を合わせる。露出がメーターの真ん中に来たのを確認してファインダーに眼を戻してシャッターを切る。
    シャッターも上が1/500なんていうのんびりシャッターなので高感度フィルムじゃ絞りきれないことがあったりする辺りがさすがに古さを感じさせる。元々小西六のさくらカラーの低感度なやつを装填して使うべきもので。とはいえ時の流れは残酷なものでそろそろコニカカラーも無くなってしまうのだ。カメラ屋にいけば安売りフィルムも既に無く、安いフィルムといえば100円ショップのコダックがあるくらいである。
    このカメラで撮るのはある意味あっけない。パチンってシャッター音が全てだ。一眼レフに慣れていると物足りないかもしれないがこれはこれで良い。静かに撮るのならデジタルカメラもいいけれどそれよりかはいくらか手応えがある音がする。
    何回かカラ写ししていたら渋かった低速シャッターもある程度言うことを聞くようになった。当面はこのままで良いだろう。まぁセルフタイマーは動きもしないんだけど。自分がもうちょい器用ならメカにも手を出すんだけれど、そこまではどうにもこうにもである。
    ファインダーはすっきりとしている。すこし青みがかっていて、二重像が黄色い。レンズ交換はできないけれどフレームがレンズの写せる範囲に連動してサイズが変わる辺りがいい。レンズはヘキサノン48mmF2。ヘキサノンレンズだからどうこうってのは分からないけれどなかなかいいものらしい。現像してみてのお楽しみだ。

    半世紀近く前のカメラを使ってみて大してカメラは進化していないことや撮るものも変わっていないことが分かる。それこそ変化といえばフィルムが電子素子になっただけで。ただし、電池も使わないこのカメラはまだ使えるのに、デジタルカメラ用の消耗品、電池パックやメモリやソフトウェアを半世紀維持するのは想像するだけでも恐ろしいことだ。ファイルフォーマットが50年後にも同じとは思えないし、どんどん記録データは破損していくだろう。21世紀初頭の写真は半世紀後どのくらい残るものだろうか。

    現像があがってきた。撮影したのは2006年12月1日。奈良県の長谷寺ですよ。フィルムは100円のコダック200。



    露出さえ合えばちゃんと見られる写真が撮れるみたいです。露出を合わせるのが難しいんだけど。まだカラーネガなので救われてます。






    ↑それぞれ押すと拡大します
    ちゃんと撮れてるのはさすがヘキサノンですねぇ。

    2010.08.19追記:ヘキサノンはちゃんと写りますが、ぼけてたりするのは撮影者の問題です(^^;

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