タイトルに反して仕事にならない修理・改造・破壊記事を書くジャンクなblogです。

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    2017年8月11日金曜日

    PC-9801FA/U2の修理(25年目編)

    PC-9801FAは1992年発売のPC。CPUはi486でも一番遅いものが載っていて、値段の割に性能が悪くNECの凋落の一端を担った機種ともいわれているらしい(?)。

    PC-9801系は更新したくてもできない一部の現場では今もって現役と言われているパソコンであるのは有名だが、安価なジャンクが数台出ると数日もしないうちに売れてしまうという辺りでまだ根強い需要があるように思う(かといってジャンクに1万円とか値付けする某店はあほだ)。
    今回はきれいな個体を入手したので、25年経った今からでも修理できるのか試すことにした。この個体の場合、埃の少なさからいって使用期間が少ないように感じる。きれいな部屋で使っていたか、通常の家庭であれば1年以下の使用期間のように思う。

    この時期の機種の問題点はコンデンサの電解液が漏れるという点。使用期間でもコンデンサの劣化具合は違うものの、漏れやすいコンデンサを使っていればもれなく漏れる辺りはこの時代の共通の問題だ。以前修理してみた機器ではパターン腐食でどうしようもなくなっていたものがあった。
    今回は入手時価格が安価なので修理もなるべく安価に直すということで修理にも中古コンデンサを使っている。

    マザーボードの修理

    マザーボードの液漏れはタール状の液漏れをするタイプではなく、徐々に揮発してコンデンサの周囲に粉末状の成分が付着したような状態。粉末はアルコールで清掃して除去した。



    コンデンサの交換はリードを切り、パターンに力をかからないようにコンデンサをもいでからリードを除去した。コンデンサが噴いていると化学的に変化するせいかハンダが溶けにくい。フラックスを使いながらはんだ吸いとり線で清掃する。残ったフラックスはアルコールで拭いてきれいにする。
    接着剤で張り付いているコンデンサ外装のプラ片はパターンが下に通っているため剥がさずに置いておいた。キレイにしようとして頑張ってはがすとパターンが弱っていて痛める場合もあるし(面倒くさかっただけともいう)。

    この時代の横置き表面実装コンデンサは剥がしやすく再実装もしやすいので修理が簡単なほうだ。スルーホールに実装するタイプのほうが面倒だし下手にやると失敗しやすい。
    このマザーボードでは入手しづらい?15uFが使われているが、22uFでも良いようだ。1.5uFは手持ちがあったが、2.2uFでも良いらしい。(uF:マイクロファラドの代用)

    5インチFDDの修理

    FDDのコンデンサも同じく清掃して張り直す。これも粉状に噴いていたものの腐食はしていないようだ。5インチのくせにスペースが全くないため、小型コンデンサを使用する必要がある。

    電源ユニットの修理


    1次側のmarcon製の1000uF180vが容量抜けを起こしていた。簡易測定すると700uF程度になっていて、電解液が蒸発しているので持った感じもすかっと軽い。これを1000uF200vに交換した(ジャンク箱にあったCapXonだが重さは倍以上ある)。
    マザーボードと違い、電源ユニット2次側のコンデンサはタール状に液漏れを起こしていた。採用されているコンデンサはすべて廃止品のため、同等クラスの後継品でスイッチング電源用の低ESR タイプに交換した。

    交換部品一覧




    動作確認

    以上の修理でFDDから起動ができ、動作確認することができた。
    パターンを腐食しないタイプのコンデンサなら噴いていても復活は簡単なようだ。今回のものは状態が比較的ましと言える。数種類の5インチソフトを動かすためだけに購入したが、コンデンサ以外は思ったより状態が良いものだった。
    25年経っても修理すれば動かせる辺り今の使い捨てなPCより長く残せそうな気もする。耐久性から言っても工場の機械制御に未だに使われるわけだなあという感じであった。

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