タイトルに反して仕事にならない修理・改造・破壊記事を書くジャンクなblogです。

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    2011年4月14日木曜日

    なぜ避難が必要か?といえば人命のため


    神奈川県安全防災局危機管理対策課 環境放射線モニタリングシステムより

    3月14日以降、爆発の影響が素直に出ているグラフだと思う。平常時が25ナノであり、現在はその3倍程度まで落ち着いている。グラフだけ見るとぐわっと上がっていて危なく見えるが、グラフを信じれば神奈川あたりは安全である。75ナノグレイ/時。グレイ(空間放射線量率)をシーベルト(等価線量)に換算する場合、大雑把にはそのまま換算できる。



    ナノレベルだったら問題はないと言える。これがマイクロになると逃げる準備が必要だ。ミリは即逃げないといけない。ミリも付かないシーベルトは死を意味する。この辺が「直ちに人体に影響がない」の内訳だ。
    ナノ→マイクロ→ミリで千倍づつである為だ。制限は年間累積で1ミリ。政府の言いだした年間20ミリは緊急時だけに適用するのが前提で、単純に死ぬ人が20倍に増えるのを許容しただけである。

    ミリ  10-3 = 0.001(1000分の1)
    マイクロ10-6 = 0.000001(100万分の1)
    ナノ  10-9 = 0.000000001(10億分の1)

    1時間を1年に直すには単純に8760時間を掛けるだけだ。1時間75ナノであれば年間0.657ミリシーベルト。
    これだとずっと外出な生活の場合になるので、通気性の良い日本家屋は室内はその半分で考える。室内なら1/10というのが言われているが、クリーンルームにでも居るのでなければあり得ない。日本家屋は空気が出入りし放題。埃が溜まる地面付近から空気を吸い、屋根に抜ける通気性の良さが特徴だ。

    飯舘村が5.12マイクロというのは、年間44.85ミリとなり屋内待避で半分と考えても危険である。ただ、飯舘村議会は避難に不満を訴えているようだ。

    >「国の責任ある人が村に来て、避難区域の設定や、なぜ避難が必要かをきちんと説明してもらうのがスタートだ」と交渉に臨む(飯舘村村長)

    今は避難に抵抗している場合ではなく、議会は率先して避難に導かないといけない。何故避難が必要かは電卓が1個あれば5分で理解出来る。放射線は受けてからでは遅いのだ。まず逃げて、戻りたい人は戻ればいい。
    勝手に引き上げられた年間20ミリとしても半年が限度。元々の基準の1ミリだと8日間で超え、既に大幅に超過している。超過したから政府は年間20ミリなんて言いだして時間稼ぎを始めたのだ。

    グラフを見ると、降雨があるとグラフが跳ね上がるのが分かる。放射性物質は空間から地表に落ち、農作物も汚染し、家畜も被曝する。雨は河川を流れ海に移る。海に移ればどこの地域でも水産漁業に影響が出る可能性がある。この場合の年間44.85ミリは空間線量だけなので、雨によっての水や食品からの被曝も加算しないといけない。

    首相「当面住めない」発言情報に憤る地元自治体

    菅総理はもう何を言っても叩かれる段階だから仕方ないだろうけれど、「命が惜しくなければ住んでいただいても構いませんよ」とは言えないだろう。そんなこと言ったら即辞任に追い込まれる。
    菅総理を擁護するつもりはないが、最大限好意的に解釈したら人命を心配しての発言である。心配してもらっていることを逆に捉える住民は別に住んでも構わないだろう。リスク承知ならという但し書きであるが。

    避難対象地域は今は体調に変化が無くても、1年住んだらその中の何人かは体調がおかしくなる。逆に平気な人もいるだろう。それは誰が放射線に弱いか分からない(ただし子供は明らかに弱い)からである。チェルノブイリでは、その土地を離れない生き方をしている人が居ないわけではない。しかしリスク承知で病気前提、死ぬ覚悟で住むことになる。それを議会が承諾するなら避難しなくても良いが、人命無視の決断になる。

    放射能を何とかしろ、住めるように元に戻せ!といわれて、すぐにナントカできる段階はとうの昔に過ぎてしまった。
    そもそも原発誘致の段階からこうなるリスクはあったのだ。残念ながら、リスクを背負ったからこそ莫大な交付金が出る。その時点で釣り上げられてしまい、釣った魚に餌はやらない。だから原発誘致は自殺行為なのだ。周辺市町村であっても、なにがあっても反対の意志で臨む必要がある。周辺市町村は何のメリットもない。ちょっと潤っても、住めなくなったら元も子もない。東電にはこうならないようにする運転責任があったが、ちっとも責任を認めないのだから元から責任を取るつもりはなかったのだろう。

    なお、神奈川県の環境放射線モニタリングは一応は素直なグラフのようなので、東京から西の人は参考にするといいかもしれない。グラフを鵜呑みにするのも良くないとは思うけれど。
    浜岡原発のモニタリングはグラフ化されていないのと、肝心なときに(意図的に?)調整中とかになっていたため参考にならない。原子力事業者が作るとこんなものである。

    元々神奈川にある東芝とかグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパンというGE関連の原子力燃料事業所を監視するためのグラフなのだが、こういう監視施設がすべての地域に必要になってしまった。神奈川県の環境放射線モニタリングシステムがどういう経緯かは知らないけれど、安全だから監視が要らないというのはあり得ないのがよく分かる。

    数字をただ恐れるのではなく計算して安心に変え、危険だと言われている地域もどのくらい危険なのかを正しく判断して政府の緩めた規制よりも早く対処しないと命が危ないのだ。政府が何もしないからそこにいて良いとは限らない。

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