タイトルに反して仕事にならない修理・改造・破壊記事を書くジャンクなblogです。

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    2011年3月31日木曜日

    連邦航空局と原子力安全・保安院

    保安院、経産省から分離へ=推進と規制、同一組織に問題―原発事故受け、政府・民主

    1996年に起こったバリュージェット航空592便墜落事故は何故起こったか。事故の直接の原因は、積載が禁止されていた使い古しの酸素発生器の発火によるものだが、そこに至るまでに様々な積み重ねがあって墜落に至った。

    発火に至るまでにはいくつもの「たら」「れば」があり、ひとつ抜けているだけでも防げたかもしれない事ばかり。要は行きすぎた規制撤廃による安全保安体制の不備。
    なぜ規制が緩かったかといえば、アメリカの航空産業を規制する立場の連邦航空局は、同時に航空産業の推進も担っていたからであった。規制する人が推進もしていたら規制にならないのは当たり前だ。



    その経緯はメアリー・スキアヴォ著『危ない飛行機が今日も飛んでいる(AA)』に詳しい。推進と規制が同一組織という状況は、経産省の原子力安全・保安院も同じだった。

    飛行機が墜落したら大勢の人が死ぬから安全のための規制をするのは当然なのだが、同時に利益を上げるには規制が邪魔になる。利益のためには人間に値段を付けて事故の際に対価として払うことにより規制を減らしていくことになった。そのせいで、細かいインシデントが多発し、結局は墜落という重大なアクシデントになる。

    格安航空会社は、投資を抑えるため中古機体を使用する。安全でない機齢30年を越えたジェット機が整備もままならずだましだまし飛ばされる。交換部品は正規のルートではない精度が保証されない偽物部品が多く使われる。
    アルバイト機長は天候に関係なく定時で飛ばせたときだけまともな給料が払われる契約だから、猛吹雪だろうが飛ばしてしまう。ある意味厳しい天候でも無謀に飛ぶから客は喜ぶ。命がかかっているとも知らずに。安全は口先だけで、落ちるときまで落ちない航空会社の誕生である。その全てを野放しで認可していたのは連邦航空局。

    上記とよく似た話。福島第一原発は50年運転を目指した老朽化したプラントを孫請けや曾孫請けのアルバイト作業員が管理し、いつ壊れるか分からない無謀な運転を行い地震でいとも簡単に爆発した。
    30年を越えて10年づつ運転続行する申請を東電が行って、検査および認可していたのは原子力安全保安院。壊れるときまでは壊れないってだけの原子力発電所である。
    おそらく、地震さえなければ50年なんかとうに過ぎていつまでも使っていくつもりだったのだろう。今回の人災は、地震後に廃炉するかしないかの東電の判断ミス以上に、そもそも震度5で倒れる老朽原子炉を安全と言い続けて認可し続けた保安院の責任なのだ。

    バリュージェット航空は、山ほど儲けながら機体の保守には全く金を掛けていなかった点も東電と同様。東電社長はコストダウンだけで出世した人間である。もっとも、すぐに高血圧とめまいでダウンして役に立たなかったようだが。原子炉同様のもろさである。

    バリュージェット航空は、事故後にエアトラン航空を買収し名前を変えて生き残った(その後、サウスウエスト航空が買収することに)が、東電はどうするつもりだろうか。国有化するとの報道もあるが、結果的に名前を横文字カタカナにでも変えるだけでのうのうと居座るのだろうか。

    「危ない原子炉が今日も稼働している」わけで、震度5にも耐えられない老朽機は代替でき次第とめるしかない。

    4月2日追記
    高度1万mで航空機の天井に穴、乗客は無事
    飛行中旅客機の天井に穴=気圧低下で緊急着陸-米

    タイムリーというか日常茶飯事なのか、例のサウスウエスト航空がやらかしている。
    原因はまだ分からないが、ハワイのアロハ航空243便事故に似た経年機での金属疲労破壊だろうか。
    バリュージェットから引き継ぎした機体かどうかは分からないが、もしそうだとしたら名前を変えても老朽機の危険性は変わらないと言える。

    4月7日追記
    優良会社サウスウエストの機体に相次ぎひび割れ 米航空業界に衝撃
    穴が開くけどサウスウエストは優良会社だったそうで。

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