タイトルに反して仕事にならない修理・改造・破壊記事を書くジャンクなblogです。

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    2011年3月13日日曜日

    大人災 - 東北地方太平洋沖地震と福島第一原発

    2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震で被災された方には謹んでお見舞いを申し上げたい。
    前代未聞の大災害であり、数千人の行方が分からなくなっている。何もできていないのが歯がゆいが、少しでも多くの方が助かって欲しい。自衛隊や多くの人々のおかげで救助されているのを見ると人の力の凄さがよく分かる。



    その一方で、弱り目に祟り目としか言えない福島第一原発の建屋爆発と被爆事故。放送では事象などとふざけた呼び方をしているがこれは人災による大事故である。
    天井が吹き飛ぶほどの大事故をとにかく小さく小さく見せようと必死の政府の会見は呆れて物も言えない。どこまで隠蔽体質なんだろう。避難している住民は、現実を知らされないがために被曝したのだ。

    東京電力は電力需要が逼迫する中で最後の最後まで炉を修理できる程度に生かしておこうという心理が働いたのではないか。冷やすにしても清浄な軽水を利用したかったため、冷却水が足りなくなったのではないか。海水を利用する注水は炉を廃炉にするしかなく最後の手段ということもあり、対応が後手後手に回って破裂させ、一般人の被曝事故を引き起こした。

    原発というキーワードでtwitterを見ていた。半分以上の人が「原発は安全で大したことがない」という思いこみに染まっており、このままでは危険だという人をデマの流布扱いしていた。
    M8.8に耐えたわが国の原子力発電所はすばらしい、なんていうものまで(福島第一の場所は震度5)。耐えたってのは通常通り運転してることを言うのでは。

    さしあたって安全なのは炉の保安用周辺装置が問題なく動作していたときだけだ。どんどん状況が悪化していって破裂に至っても原発を擁護し続けるツイートが溢れるのには、大多数の危機感の無さがあった。いいかげんな政府発表によって、この事故を少しも危ないと思っていないということだ。政府発表はパニックを防ぐためだろうが、こんな発表を鵜呑みにしていたら簡単に殺されてしまう。

    3時半過ぎには爆発していたにもかかわらず、その点は一切ふれずに減圧に成功などというしどろもどろの会見があった。
    結局爆発から2時間が経過した5時半過ぎに日本テレビ系列のカメラによる爆発シーンが繰り返し流されて対応を変えたように見えた。映像では赤い光と衝撃波を伴った爆発シーン、及びそれに伴う放射性物質を含むと思われる大きな煙が北の方面に流れていく。
    もし撮影されていなかったら「なかったこと」になっていたのではないか。「爆発を伴う事象」という意味不明の呼称で爆発を認めたのは5時間後。結果的に5時間もの間、隠蔽していたと思われても仕方がないだろう。

    非常用のディーゼル発電機が全て故障するというECCS(緊急炉心冷却装置)の電源の全喪失と聞いたときから危ないと思った。制御棒は挿入できて核分裂は押さえられても急に発熱が減るわけではないから冷却が出来なければ安全な停止は出来ない。

    同型の福島第一は2号機が過去にも電源の全喪失をしているし、昔から事故の多い旧式の原発なのだ。1号機~6号機は
    ロックウェルゼネラルエレクトリック社の製造とのことで既に40年選手となっており、元々の耐用年数は10年だというから呆れる。
    航空機だって40年経ったらまず墜ちる。40年持つのは稼働する機構がないビルくらいの物だろう。ビルだって耐震などで時代にそぐわないから建て替えられる年数だ。

    地震や津波などの天災は全くの手に負えない物の代表だが、この国のある種の脳天気な人たちは、原発という手に負えない物を喜んで使って爆発させ、被曝という手に負えない事故を引き起こす。ましてや、原発はエコなんて宣伝までしていた。

    当然、原子力はエコではない。発電中に二酸化炭素を出さないからエコなんてバカかと思う。発電費用が石油より安いなんてのも長い目で見たら大嘘だ。リスクに対するコストで言ったら全く見合っていない。人死になんか何とも思わない人が考え出したシステムだ。原発を動かすには自分の体を分単位で切り売りして作業に当たるのだから。

    それに、原子力の研究は「使う方」だけ推進して「あとの処分」を一切考えていない。使うだけ湯水のように使ってゴミはあとでなんとかなるだろうという安易な考えで40年引き延ばしてきた。コスト最優先とし、最低限のメンテナンスで経年機を飛ばして墜落する格安航空会社があったが、原発もその時が良ければ後はどうでもいいようだ。

    作るのは簡単だが、運転中の燃料の燃えかすはもちろん、経年後の買い換えには膨大な放射性のゴミが生まれ、簡単には処分できない。地層処分は必要ですなんてきれい事言っても、高レベル放射性廃棄物を喜んで引き受ける自治体なんか無い。誰か引き受けろよと他人事のような議論を延々としている。

    低レベル放射性廃棄物は建物に利用した数万㌧を砕いてドラム缶に入れて適当に埋め立て処分をするという。日本各地の埋め立て地や処分場が放射性廃棄物の山で埋め尽くされる。ドラム缶だって数十年すれば砕け散る。かといって管理処分場に原発の低レベル廃棄物の全てを管理は出来ない。極端にいえば、隔壁が庭先に砕石としてばらまかれる可能性さえある。

    高レベル廃棄物は数年で放射能がなくなるわけがなく、核分裂を繰り返すものを安全なレベルになるまで数百年数千年何億年単位で管理しないといけないゴミだ。
    管理を放棄すれば地下水などの汚染は避けられず、どれだけ厳重にしても管理者自体の被曝は免れない。おそらく、電力会社も一切利益を生まない処分場を数百年単位で管理しようなんて意志はさらさら無い。無責任。

    原子力発電所を作るというのは、その手に負えないゴミを山ほど作り出して後世にプレゼントとして残そうという事だ。
    電力が足りなくなったらそれに見合った生活をすればいい。電力が必要な工業で金儲けがしたかったら海外に行けばいい。人口減少時代なのだから日本の大きさに見合った生活に減速しても文句は言われないだろう。

    40年選手の原発が続々とメンテナンスだけで定年を逃れて現役なのを見ると寒気がする。日本各地に起きる地震や津波で倒壊し、今回のように爆発して放射性物質をまき散らしながら廃炉になって日本各地を焦土にしていく。

    こんな愚痴を書いたのも、今回の地震で原発の爆発に至るまでを見てこいつはどうしようもないと思ったからだ。意志決定は後手後手。最悪の事態に意図的に持って行くかのようだ。

    放射線レベルが高い場所に突撃させられる社員の命は安価なものにしか思われていないのではないか。放射線の遮蔽のない化学防護服で作業に当たらされる自衛隊員も同様だ。デマだとは思うが、菅総理の視察を待って蒸気解放をしたため手遅れになったなんて話まである始末。総理が居たら放射性物質を含む蒸気が解放出来ない。じゃあ住民なら被曝させてもいいというのか。

    今回の人災は、手に負えない物を作った罰。原発は安全などというあり得ない嘘をつき続けた罰だ。それが、罰を受けなくてもいい人たちに降りかかってしまった。この嘘の代償はあまりにも大きい。


    福島第一原発事故、深刻度「レベル4」以上か(YOMIURI ONLINE)

    >レベル4:「事業所外への大きなリスクを伴わない事故」
    どんだけ身内に甘いんだ保安院…90名被曝の恐れで外部に大きなリスク無しってのか!

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