タイトルに反して仕事にならない修理・改造・破壊記事を書くジャンクなblogです。

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    2011年2月28日月曜日

    絶望的な音痴を直す - Roland SC-88VLの修理

    前回の記事、対処療法より根本的治療でしょ?などと言った舌の根も乾かないうちに対処療法な修理記事であります。

    RolandのSCシリーズYAMAHAのMUシリーズと並んでMIDI全盛期に一世を風靡したMIDI音源のスタンダードである。当時は少ないデータ量できれいな音楽を演奏できるMIDI音源が人気であった。mp3の出現する少し前の話だ。
    その後JASRACの横暴でMIDIの制作・公開環境が壊滅的な被害を受け衰退してしまった。その後はPCの中で制作が完結するようになりMIDI音源自体がマイナーなものとなる。

    先日入手したSC-88VLを使ってみたら、どうも各パートが協調しないでバラバラに自分勝手な演奏をしていた。テンポがみんなマイペースなのだ。ついでに絶妙に音を外す。爆笑ものである。こんなに演奏がへたくそなMIDI音源は初めてだ。



    汚れ具合から見るとどうも長年ハードに使い込まれてきたもののようで、筐体は手あかで汚れている。壊れるまでにいろいろな曲を作ったのではなかろうか。

    ふたを開けたら99年に修理に出したシールが貼ってあった。ここにきて音痴になったので手放したのだろうか。SC-88VLは1995年発売なので初期型であれば16年ものだ。



    音は出ているのでおそらくデジタル処理側の不具合だと思われる。各ICチップのデカップリングコンデンサと年数が経っているため、発熱する電源部のコンデンサを交換する。一応音が出ているのでDAC・アナログ部分のコンデンサは触らないでおいた。

    交換したのは以下の通り。
    1uF50V:1個、10uF16V:6個、100uF6.3V:4個、220uF6.3V:2個、1000uF16V1個(※μをuで表記)
    NEC製のD63200というDAC周辺の8個、RCAピン周辺の4個は未交換。ここも交換するのであれば1uF50V:2個、10uF16V:2個、100uF6.3V:2個、47uF16V(オーディオグレード):6個も必要になる。

    一般的なものばかりのため、手持ちにあるもので間に合った。今回は使用しなかったが、各ICのデカップリングの10uFはタンタルコンデンサにすると半永久的に音痴にならないのではないかと思われる。音痴の原因はデジタル的な演算エラーだろう。
    元々使われている各コンデンサはSANYO製の一般向けの電解コンデンサであった。



    最近の基板と違い、両面基板で交換はとても簡単。さくっと修理できる。修理が難しい多層基板や表面実装なんかは嫌いだ。
    交換後、無事にちゃんと演奏してくれるようになった。デジタルな機械もこんなあいまいな壊れ方をするのが面白い。


    分解して筐体を洗って組み立てて完了。

    ※ご注意:もしこれを参考にして音痴のMIDI音源を修理して失敗して更に音痴になるか息の根を止めてしまっても責任は負わないのであしからず。失敗するとメーカーは直してくれないので、最初からメーカーに直してもらうことをおすすめします。

    そういえば、修理前はどの曲聞いてもリセットしても音痴は直らなかったが、もしかして設定があったりするのだろうか。ボタン電池抜くと直るとかそういう。音程をランダムに間違える設定があるとは思えないのだが。
    説明書を読むと、キーシフトでキーを半音単位で変えられる機能があるが、ランダムに違う音を出すのは無さそうだ。パートごとに大幅にバラバラのテンポで演奏するような機能はあったとしてもそもそも使い道がわからない。

    結局修理で直ったのか、ボタン電池を抜いたから直ったのか、そのほかの要因なのか分からないのでもやっとしている。適当な対処療法はやっぱだめだと思った。

    2 件のコメント:

    1. しんちゃん2011年3月11日 22:37

      お〜い生きてるか〜?

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    2. チャットにも書きましたが生きてますよ。
      というか、こちらは何もなかったです。揺れなかった。

      これが東海地震の時にはこちらに来るかと思うと本当に人ごとじゃなく思ってます。

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